グローバルコミュニケーション学科コラム

202108.01
グローバルコミュニケーション学科コラム

【Gコミ学科】留学生の素朴な疑問から日本語を掘り下げる(その3)

こんにちは。英語コミュニケーション学科の伊藤です。留学生に日本語を教えています。
留学生と会話していると、彼らの素朴な疑問から日本語(言語)について気づかされることが多々あります。そして、それは外国語(たとえば英語)について考え直すきっかけにもなるのです。

今日もそんな一例をご紹介。


留学生は下記のような文に「??」を抱きます。


1)青い目をした少女。
2)まっすぐな性格をした男の子。
3)魅力的な声をした女性。
4)澄んだ目をした少年。

留学生が最初にならう「〜〜した」は、〈過去〉を表す以下のような文です。


5)彼はご飯を食べた。
6)彼女はテレビを見た。


「〜〜をした」で、どうして「〜〜を持っている」の意味になるのか?
でも、実はこのようなことは英語でもたくさんあります。
皆さんも、~~edは〈過去〉の意味と学びますよね?


では、こんな表現はどうでしょうか?


7)a blue-eyed girl (青い目の女の子) 
8)He is right-handed. (彼は右利きだ)
9)a bad tempered man(機嫌・性格の悪い男)
10)a red roofed house(赤い屋根の家)


 〈過去〉の意味とは全く違いますね。


しかもよく見てみると、
「青い目をした少女」「悪い性格をした男」「赤い屋根をした家(ちょっと変でしょうか?)」のように、これらも日本語と同じく「〜〜した」で言い換えられそうなものも多いですよね。


ということは、「~ed」と、「〜した」は同じく〈過去〉の意味も表すし、そして〈性質や特徴〉を表す意味を表すことができる、と言えそうですね。


このように、全く違う言語の間にもよくみると共通点があるかもしれない。こんなことを考えるのが言語の面白さの一つでもあります。
もちろん、そこまで突き詰めなくても

7)〜10)のような英語表現を覚えるよいきっかけにはなりますよね。

英語学習中の皆さんも、ただ表現を覚えるだけ、ではなくて日本語との共通点などを考えてみるのも面白いですよ。

国際コミュニケーション学部 英語コミュニケーション学科 教授 伊藤 創

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