グローバルコミュニケーション学科ニュース

202110.07
グローバルコミュニケーション学科ニュース

【Gコミ学科】卒業論文紹介―中国の料理と「中華料理」

今年の秋に卒業した留学生の王心悦さんは、自らが日本に来て経験した驚きから芽生えた探究心にもとづいて、日本にいわゆる「中華料理」がどのようにもたらされ、発展してきたかの歴史的な変遷を卒業論文としてまとめました。


日本人にとって「中華料理」はとても人気のあるエスニックフードです。しかし、中国で食されているものがそのまま日本でも一般化していると思いがちですが、王さんの調査によると、中国での食文化は「中国料理」であり、日本で愛されている「中華料理」は同じではないのです。


王さんの調査によると、初めて中国からの料理が食されたのは長崎で、そこから他の地域で広がっていったとこのことです。江戸時代に「卓袱料理」「普茶料理」が中国の料理として日本に持ち込まれ、その後、明治時代になると中国人が多く居住していた横浜に中華街が形成され、広東料理のラーメンが変化して日本のラーメンが生まれました。後に、「天津飯」や「焼き餃子」など、日本人は自分たちの好みや工夫で様々な「中華料理」を生み出しました。日本の「中華料理」は、本来の「中国料理」から独自に発展し、今や日本人の食生活にはなくてはならない存在です。


今回の卒論のテーマであった「中華料理」の例を見てもわかるように、文化とは、発祥の地で脈々と受け継がれる一方、様々な地域に広がるにつれて、時代や場所に適合するように変化していくものですね。

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国際コミュニケーション学部 英語コミュニケーション学科 教授 越山 泰子 ⇒国際コミュニケーション学部 英語コミュニケーション学科ページ

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