
教育福祉学科ニュース
【教育学部】せっかくの努力を無駄にしない
今年も教員採用試験の結果が出てきています。新型コロナウイルス下で、様々な制限がある中で学生たちもよくがんばったなぁと思います。また、臨時講師として小学校に勤務している卒業生の先輩たちからも、「正式採用になりました」とうれしいメールが届いています。
教員採用試験の合格者の比率において、大学を卒業したての新卒採用は例年30%前後と言われます。
つまり、ほとんどは臨時講師経験者を採用しているということになります。保守的だ!とお叱りを受けるかもしれませんが、教員の仕事は、直接子どもたちの成長に関わる仕事ですから、その責任上どんな人物かを長い目で確かめてから採用したいというのは仕方がないことのかもしれません。
採用する側の教育委員会にとっても、海のモノとも山のモノともわからない新卒の学生を採用するよりも、実際に学校現場で働いている臨時講師経験者の方が「安全・安心」なのです。
その中で、現役の学生が努力の上、採用合格を勝ち取ったのですから大したものです。その努力が今回上手く実を結んだ人も、思うような結果が出なかった人も、どちらもその努力を無駄にしてはもったいないことになります。
特に、臨時講師になった時は、教師としてスタートした1年目の1学期終了前後に採用試験があることになります。
日々子どもたちと関わり、授業とその準備、子どもたちの成績表(あゆみ)を作成し等々をしつつ、採用試験に臨むことになります。自治体によっては1次試験の免除もありませんから、このことがどれくらい大変かを想像してほしいと思います。
つまり、時間のある学生の間に、しっかりと採用試験対策をして基礎学力をアップしておくことがその後の自分を助けてくれます。
一方、合格した学生は、採用試験対策としてがんばってきた模擬授業やロールプレイが大いに役立つに違いありません。学校現場でのボランティアなどを続けながら、少しでも実践経験を積み重ねてほしいものです。
それでも、おそらく最初の学級づくりは上手くいかないと感じることが多いと思います。
なぜなら、「人は初めてのことは概ね上手くいかない」からです。
今年も(本学の卒業生ではありませんが)、せっかく合格した新卒の先生が休職したり退職したりということをあちこちで耳にしました。様々な理由や事情があるのでしょうが、前提は「初めてのことは上手くいかない」です。
だから、「もうダメだ...」「(委縮して)やらない...」のではなく、「最初っから上手くいく筈がない」という想定の上で、今できる準備を淡々としていくということです。
備えあれば患いなし!
教育学部 教育福祉学科 教授 百瀬 和夫
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