心理学科コラム

202111.11
心理学科コラム

【心理学部】 興味を持つと目は輝くのでしょうか?

マンガやアニメで目が輝く表現があると思います。好きなものや興味深いものを見た時に目がキラキラ輝く表現です。

実際に興味深いものや好きなものを見た時、私たちの目は輝くのでしょうか。


私たちは魅力的に感じるものを見たとき目の瞳孔と呼ばれる部分が拡大します(大きくなる)(Hess & Polt, 1960)。

瞳孔は黒目の中心部分にある瞳ともよばれる場所です。瞳孔は目の中に光を取り入れる孔(こう)であり、黒色に見えます。強い光を当てると赤に見えることもあります。写真を撮影したときにフラッシュを当てると目が赤く光ることがあると思います。その部分が瞳孔です。しかし、瞳孔は基本的に黒色であり、瞳孔が拡大すると目の黒く見える部分が大きくなります。一方で目が輝くように見せているのは瞳孔の少し外側にある虹彩や白目(結膜や強膜の部分)です。虹彩は瞳孔の拡大に伴って面積が少なくなります。つまり、興味を感じるものを見ると瞳孔が拡大するため目はより黒く見えることになります。


では、なぜ目が輝く表現があるのでしょうか。おそらく魅力的なものを見たときの人の表情が関連しているのでしょう。

私たちは魅力的なものを見たとき、それをよく見ようとします。そうすると、自然と目を見開くことが多く、その結果、通常よりも黒目(虹彩)や白目(結膜や強膜)の露出部分が増えます。目の輝きは目が反射する光の量で決まります。

魅力的なものを見たときに目が輝く表現は、目を見開くことで黒目や白目の見える部分が増え、反射する光の量が増えることに基づくのかもしれません。


引用文献
Hess, E. H., & Polt, J. M. (1960). Pupil size as related to interest value of visual stimuli.
Science, 132, 349-350.

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心理学部 心理学科 講師 富田 瑛智

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