心理学科ニュース

202111.24
心理学科ニュース

兵庫県警被害者支援室とひょうご被害者支援センターを見学

11月8日の2限目終了後、山手キャンパス2号館前に人間心理学科の専門演習Ⅱ(中山ゼミ)の7名と3年生の希望者2名が集合し、兵庫県警察本部被害者支援室と、公益社団法人ひょうご被害者支援センターを見学した。


本学の心理学科では春学期の司法犯罪心理学の1コマを使って、被害者支援室長(警視)を講師として招き、被害者支援の現状や支援内容についてすでに講義をしていただいている。すなわち、犯罪にあうことで被害者およびその家族がどれほど深い心の傷を受けるか、そして、その被害者に対し、警察の被害者支援室が心の回復支援や、病院や裁判への付き添い支援を行っていること、また、カウンセリングや弁護士相談に掛かる費用面での補助をしていることについては講義の中で知らされていた。それを受けて、今回は支援室を訪れ、実際に使われているカウンセリングルームを見学させていただくとともに、詳細なリーフレットを使った支援内容の具体的説明を受けた。


また、犯罪の被害者や遺族は、加害者からもたらされるさまざまな精神的ダメージ以外に、犯罪報道によって起きるマスコミからの被害者への誹謗・中傷を受けることがある。それによって、たとえば、性犯罪の被害者になった女性が「あんな派手な格好をして、暗い夜道をひとりで歩いていた自分も悪いんだ」という自責の念を持ちやすいが、それを払拭してあげるような心理教育がカウンセリングを通じて実施されることが重要であると聞かされた。その中で、認知心理学で教えている記憶の上書きによって、犯罪被害の記憶をデリートするという手続きを知ることができた。そして、犯罪被害者への治療のゴールについても具体的な基準が説明の中で明確に示された。また、臨床心理士で公認心理師の資格を有するカウンセラーからは、犯罪被害者から事情を聞いた警察職員が、あまりの悲惨さに自分自身が「代理受傷」する場合があり、しかもその職員が過去に受けたトラウマやストレスで更に悪化することもあるので、そのような場面でも支援室が支えられるように活動しているとのことであった。


次に、民間団体であるひょうご被害者支援センターを訪問した。
ひょうご支援センターは、弁護士、医師、臨床心理士からなる役員15名、事務局3名、支援員29名から成り立っている。支援は、臨床心理士によるカウンセリングの他に、病院・警察・裁判所への付き添い支援、弁護士による無料法律相談に向けた情報提供が行われているとのことであった。ここでも、カウンセリングルームの中にいれていただき、具体的な支援内容の説明をしていただいた。

【見学を終えた後の学生の声】

  • 犯罪被害による心の傷を回復する為の様々な対応と施策、職員側の配慮など学びました。過去の事でも苦しむ人がいると知り、事件の事を考える時は、再犯防止策だけでなく被害者支援の事も視野に入れて考えるようにしようと思いました。
  • 今回、印象に残った話は被害者支援カウンセラーにおいての心理教育の話です。事件の被害に遭われた被害者の心理的援助は、どうしても事件当時の出来事がフラッシュバッグしてしまい、忘れることは困難です。しかし、小さな記憶を上書きしてその体験を受け止める状態を作り、なるべく事件前に近い状態での社会生活を送れるような手助けをすると聞いて、とても大変で被害者の気持ちに寄り添いながら仕事をされているのだなと感じました。
  • 被害者の方と面談するときは、なるべく親しみやすいように私服を着ると学んで、そういった服装からも被害者の支援をしやすいようにしているのだと感じました。また、被害者支援センターの相談員は25歳以上であれば、講習を受けるとなることができると知り、将来自分の仕事に余裕ができればやってみたいなと感じました。
  • 大学で被害者支援についてしっかり学習していると思っていました。ですが、支援センターの方の説明を聞いて、疑問点がたくさんでたことから、知らない事の方が多くあると思いました。警察がしている支援は被害にあった後の近い支援をメインにしていて、公益社団法人がしている支援は、事件後だけではなく幼少期などのトラウマの支援までしている違いを学ぶことができました。支援をするにあたって、被害者支援のための配慮を被害者側だけではなく被害者を支援する側までをまとめて支援といっていると思いました。

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心理学部 心理学科 教授 中山 誠
⇒ 心理学部ページ

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