観光学科コラム

202201.21
観光学科コラム

【観光学科】就活生にむけて

新たな年が始まって、既に3週間が経過しようとしています。大学においても4年生は卒論の提出を終えて、4月からの社会人としての生活に向けて準備を進めていることでしょう。また3年生はこれから始まる(もう始まっている?)就職活動に不安を抱きつつも、期待を抱いて企業研究など活動を本格化させていることと思います。オミクロン株が急速に拡大していますが、感染に最大限留意して社会人に向けて確実に歩み出して欲しいと思います。

あくまでも一般的な話となりますが、日本においては学生を採用する際の視点が外国とは異なっているといわれます。海外においては、資格の取得や経験したキャリアなど具体的な活動を基に個人の資質を判断します。昨年、メジャーリーグで大活躍をした大谷翔平選手のように、打者としてホームラン○○本、投手として○○勝というような活動の実績を基に報酬を決定していくというものです。一方で日本の大卒者の採用においては、こうした具体的な活動の成績などよりも、潜在的な能力や可能性を重視していると言われています。

では、潜在的な能力や可能性とはどのようもので、どのように評価されているのでしょうか?会社に採用されると、人事考課という評価の仕組みがあります。もちろん実績や能力が評価の対象となりますが、特に若年層については情意効果と呼ばれる仕事に対する姿勢についても評価を受けます。これは積極性、協調性や規律性といった内容であり、仕事に対して前向きであるか、上司や同僚と協力して仕事に取り組んでいるかなど、まさに仕事に対する姿勢を評価するものです。こうした入社後の情意効果と同じような観点から、経済産業省が2006年に「社会人基礎力」を提唱しました。「社会人基礎力」は、「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つの能力(12の能力要素)から構成され、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」とされました。その後においても、定年延長や定年廃止などに代表される長くなる個人の企業・組織・社会との関わりの中で、ライフステージの各段階で活躍し続けるために求められる力として「人生100年時代の社会人基礎力」が新たに定義されています。(経済産業省HPを参照:https://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/index.html

今でも特に企業などにおいて活躍しようと考えている学生に対しては、この社会人基礎力を中心にキャリア形成を考える指導が行われています。特に12の能力要素について具体体な事例を踏まえてその内容を正確に把握し、学生時代における活動の中でその内容に合致したエピソードなどから自分をアピールすると効果的なアピールとなるでしょう。

国際コミュニケーション学部 観光学科 教授 安藤 正裕

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