グローバルコミュニケーション学科コラム

202205.30
グローバルコミュニケーション学科コラム

【Gコミ学科】英語を話すのは苦手?(その4)

英語を話すことが苦手についてのシリーズ4回目です。

原因3)発音に自信がない

そもそも中高の英語授業で(最近は小学校も)、発音を習っていないことが原因です。私の研究グループが行った全国調査でも、大学の英語教職課程で英語音声の知識・能力・指導の3要素を必修にしている大学は、わずか0.2% でした。約75%は、英語の音声に関する授業を必修として受けなくても、英語の教員免許が取得できるのが、今の日本の大学の実態です。これでは、中高の英語の先生が積極的に英語の発音を教えることは期待できません。ただし、英語教師が発音できないのではなく、自分が発音できることと、人に発音を教えることは別だということです。

通じる発音とは、決して英語のネイティブ並みの発音ができることではありません。英語でコミュニケーションをする際に、相手が無理なく理解できる発音のことです。その人の母語の影響を強く受けている英語発音は、聞き取りがとても難しいです。授業で、中国やベトナムの留学生が話す英語は、その典型です(もちろん個人差はあり、聞き取り易い発音をする人もいます)。多少は日本語の影響が残っていても、「通じる発音」であれば、それを矯正する必要はありません。それが、国際語としての英語(English as an International Language)発音です。

本学科の発音に関する授業では、これを指導目標にしています。大学で教職課程を履修し、英語科教員を目指す人は、さらに高いレベルの発音が求められますが、そうでなければ、EIL発音を目標にして、発音のハードルを低く設定すればよいのです。たかが発音、されど発音!

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【英語コミュニケーション学科 教授 有本 純】

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