看護学科コラム

202206.17
看護学科コラム

【看護学科】初めての学会参加から思う

初めて学会に参加したのは、助産学生時代に群馬県の高崎で開催された日本母性衛生学会でした。クラスメートと卒業旅行の様に皆で電車を乗り継ぎ、上高地を経由して旅行したことが思い出されます。入学後すぐからクラス全員で取り組んだ「周産期死亡に関する統計的考察」を発表しました。思えば、10月の発表で抄録の提出は7月頃であったのでしょうか、助産を学びながらよく出来たものだと思います。研究をまとめるに際して、「周産期死亡」という言葉に対して、当時の学校長が、赤ちゃんの死亡なので、周産期でなく、「周生期死亡」とするべきだと何度も熱く語られたことが強く印象に残っています。この用語は、現在でも「周産期死亡」のままですが、このことは、研究を進めるに際しての用語へのこだわりとして、私の脳に植え付けられました。現在でも概念枠組みや概念分析として、使用する用語の意味や定義について文献検討することは研究のスタートとして大切にしています。

さて、今年は第63回日本母性衛生学会を神戸の国際会議場で開催する予定です。学生時代に初めて参加した日本母性衛生学会は逆算すると第11回だったことになります。当時は他の学会が殆どなく、助産師学校の多くは大学の医学部付属として教育されていたので、医師たちの指導を得て学生ながらも学会発表をしており、全国の学生が集う場所でもありました。これは看護学・助産学が大学教育に移行して医学から独立しても「母性衛生」という予防医学の視点から助産学の分野でも大切な学会になっています。今年も全国から助産学生たちが、学校単位で参加登録をしております。

今年の学術集会は、本学の遠藤俊子教授が学会長として主催するので、学内の教員は演題発表や座長、事務局として参加予定で、学生たちにも学会の風に触れる機会として参加を募っています。学会の運営の一部を担い、様々な講師と出会い、自分たちの卒業研究の意味を考える機会となり、卒業後の研究活動にも大きく影響するものと思います。願わくば、コロナが落ち着き、対面での学術集会が盛会裏に迎えられることを祈るばかりです。

【保健医療学部 看護学科 教授 齋藤 益子】

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