観光学科コラム

202209.07
観光学科コラム

【観光学科】夏の甲子園が気づかせてくれたこと

令和4年の夏の甲子園が終わった。大会の実施は実現したものの、開会式の入場行進は感染予防の観点からキャプテンだけの行進となった。そして声援も制限された。甲子園に向かう全国からの応援ツアーは旅行会社にとってもその勝敗に一喜一憂するビジネスであった。一方で、いつもより静かな甲子園では、普段は聞こえない審判の声が話題となった。

試合に負け、うつむくナインに「大丈夫や、上を向け。甲子園で試合ができたことは誇りや。胸を張って終わります、礼」と声を掛けた。攻守が交代するたびに、水分補給を促す審判の声がスタジアムに響いた。

スポーツの指導方法は時代とともに進歩している。私がバレーボール部員だった中学生時代、つまり昭和の時代、部活の際に「水をのむとバテる」と言われ、誰も疑わなかった。水分補給は「悪」というイメージだった。令和の時代では誰もが間違いだと分かっている。科学の進歩や、人々の生活習慣の変化で常識は変わる。

自分をとりまく当たり前、つまり常識を疑うことは容易ではない。それは仕事でも同じことが言える。自分自身が安易に過去を踏襲すること、惰性に陥っていないだろうか?

夏の甲子園に響いた審判の声に、研究者として「新たな価値の発見」という創造的な努力の大切さに気づかされた。

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【講師 小山 聖治】

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