観光学科コラム

202306.13
観光学科コラム

【観光学科】観光の学びについて考えてみましょう①

2003年、当時の小泉首相による「観光立国宣言」以降、観光はこの20年で、日本の将来を担う最も重要な成長分野の一つであることが認識されつつあります。しかしながら、観光という学びの領域は日本においてはまだまだ新しく、確立されたものではありません。私は、この分野で40年近く教育・研究に携わって参りました。そこで、私が経験を通じて得た観光の学びの本質について考えてみましょう。

観光の学びとは『観光文化』(観光の文化的・歴史的意味を探り、各地の文化資源を人類共通の財産として活用する)という観光のコンテンツとしての学びをベースに『観光ビジネス』(宿泊業や航空業、旅行業などの産業的・経済的な側面)に関わる学び『観光まちづくり』(観光による地域社会の活性化などの方法などを考える)に関わる学び、この3つの学びを有機的に総合した、これからの時代が要請する新しい学びであると考えます。また同時に、世界の国々と人々が平和的に交流するためのグローバルなコミュニケーションの学びでもあります。

一般的に観光は、ホテル等の宿泊施設や航空会社、旅行業などの観光産業へのキャリア形成を支援するような学びに特化しているようにとらえられがちですが、もちろんキャリア形成支援の側面はありますが、もっと広く異文化理解の場としての観光、多面性を持つ社会現象として観光をとらえると、観光の学びの本質が見えてくるように思います。

画像3.jpg
【教授 小林 弘二】

この記事をシェアする

  • Facebook
  • LINE
  • Twitter