看護学科コラム

202402.26
看護学科コラム

【看護学科】卒業、おめでとう

今年も6名の学生が助産コースを修了して社会に出ていく。

大学の助産コースを選択した彼らにとって、4年次の約半分は不規則な生活と拘束された不自由感との戦いであったと思う。人の誕生を支援する「助産師」という専門職を目指して22歳という若さで、修業ともいえる時間を乗り越えて、巣立って行く皆さん。卒業おめでとう。

思えば53年前、私も22歳で助産師としてスタートした。母校は大阪にあり、今年、53年ぶりに同窓会を企画した。なんとなく学生時代の面影を残す老年期に入った女性たち。話はすっかり22歳のころに戻り、アッという間の時間であった。現職は私と大阪の助産師会長を務めたAさんのみ。残りの皆は好きなことをして人生を楽しんでいた。60歳からピアノやお琴を習い始めた人、世界一周旅行を楽しんでいる人、紙細工に熱中している人、自宅の庭に菜園をつくり、地域づくりをしている人など、20人のクラスメートはみな健在であった。

助産師学生は、分娩介助10例というノルマをこなすため、不規則な生活になる。また、全寮制で、生活を共にしたので「同じ釜の飯を食べた仲間」として、深い信頼関係が築かれており、お互いを慈しみ会う心が感じられる仲間であった。切磋琢磨する心、忍耐強さ、他者を思いやる心、自分を自制する心など、知らない間に育っていたことに気づかされる。とても心地よい人間関係の中で、53年という時間が過ぎていることを全く感じさせない再会であった。クリスマスの聖歌劇の思い出を振り返り、羊飼いやマリア役、天使役などの懐かしい場面を振り返り、今年のクリスマスは母校のクリスマスを応援に行こうと数人での再会を誓った。

本学の助産コースの学生たちも、実習期間中の約5か月、同じ環境に身を置き、宿泊しながら分娩待機する中で強いチームワークを身に着けていると思う。卒業後も、この絆を大切にしてほしいとものである。卒業おめでとう! 素晴らしい人生を!!!

【教授 齋藤 益子】

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