教員紹介(経営学部 経営学科)

准教授

林 万平 (Manpei Hayashi)

所属
経営学部 経営学科
専門

災害の経済分析、地域経済、安全安心社会の研究

主な担当科目(学部)

経済学概論、経済学、国際経済論、地域マネジメント特論Ⅰ・Ⅲ

■ 現在の研究テーマ(または専門分野)とその専門分野を志した理由・きっかけを教えてください。

現在私は、大災害後の経済的復興、都市の形成、市民の安心感と社会的要因との関連性、不動産価格の分析といった領域に関心を持って研究活動を行っています。

現在の専門分野を志したきっかけは、大学卒業後にある企業に就職をしたものの、社会・経済的な問題への関心が高まったため、大学院で経済学と政策研究を学ぶことにしたことが出発点です。その後、ひょうご震災記念21世紀研究機構、アジア太平洋研究所といった研究機関で研究員として職務に従事し、安全安心社会の研究、災害復興の経済分析、地域経済の研究といったテーマに巡り会うことができました。様々な知見、議論、見識を披露し、また信頼を寄せてくれた指導者や研究者、同僚の存在が大きかったと思います。

■ プロフィール

振り返ってみれば私の半生は「自身が望まない変化」の連続だったと思います。幸い、進学や就職では上手くいくことも多かったのですが、バブル経済の崩壊、阪神・淡路大震災、就職氷河期やリーマンショックといった出来事が起きる中、いわゆる人生設計の上で予期せぬ、唐突で、理解しがたい社会の変化に多く晒されながらも、なんとかこれまで生きてきたというのが本当のところです。

多くの変化に晒されて生きていくためには、「なぜこのようなことが起きるのか」ということを考える必要がありました。しかし、簡単に答えの出ない問いに向き合う時期は、辛いだけでなく、どこから考えて良いのか途方に暮れる日々でもありました。学生時代に、そういった思考を支える社会的・学問的知識、文化・芸術体験に十分に触れておかなかったことが今でも悔やまれます。

しかし、見ようによっては、この「答えのない問題を考え続ける」という経験が、今の研究者としての生き方への道を開くきっかけであったようにも思います。

■ 高校生へのメッセージ

私が皆さんに言いたいことは、幸福な人生を生きようとする中で、思うようにいかず、どうして良いか分からないことが多々あるかもしれませんが、それでも人は生きようとするということです。災害復興の研究を通じて、この思いは一層強くなりました。

そして、簡単に答えの出ない人生の問題と向き合うためには、様々な人々と触れ合い、見識を広め、思考する方法を鍛え、曖昧であるという不安を堪えることが必要です。そのためには、知らないことを学ぶという経験が役に立つのですが、思うに大学というところは、高校や職場といった場所よりもそうした経験を積むのに適していると思います。

俳優のダスティン・ホフマンは、ある学生向けの講演で「将来自分が何になりたいのか、何をしたいのか分からないという『贅沢』は二度と訪れない」と言いました。皆さんは学生として、すぐには答えの出ない人生の問題を考えるために、一見秩序がなく、向こう見ずで、迷いに満ちた経験を積む自由があります。そこから様々なことを学び、より良い人生を過ごされることを願っています。

■ 講演・取材など協力可能なテーマ

国内外の災害復興、地域経済、暮らしと安心に関するお話はご相談に乗れると思います。