心理学科コラム

202109.01
心理学科コラム

【心理学部】サイバー空間の捜査②

サイバー犯罪は、ネット上に痕跡が残ります。

犯罪捜査を行う警察は、被害者のコンピュータを足掛かりに犯人の経路とその痕跡を探すと『サイバー空間の捜査①』で説明しました。しかしながら、コンピュータ上の情報は改ざん等の加工や複製が極めて容易に行えます。また通常は、加工や複製が行われたか否かをその情報自体から判別するのは困難です。コンピュータに書かれた情報を我々人間が見える形にするためには機械(ハードウェア・ソフトウェア)が必要です。

 

そこでコンピュータ上の様々な情報を比較したり、見える形にするためには「解析作業」と言われる技術的な方法が必要になるのです。『サイバー空間の捜査①』で「サイバー捜査官はログを中心に解析といわれる捜査を駆使して犯人を追いかけています。」と説明しているとおりです。

 

通常サイバー捜査における解析を中心とした証拠収集のことを「デジタル・フォレンジック」といいます。分かりやすく言えば「デジタル鑑識」で、テレビドラマのように丸い刷毛を持って指紋をとるがごとく、様々なコンピュータ機器を調べて痕跡を目に見える形で現実の物として証拠化していきます。

色々な本が出版されていたり、インターネットで検索しても情報が得られますので、興味のある方は調べてみて下さい。

 

解析作業により得られた証拠等で犯人を逮捕しますが、そこからは取調べという人間対人間の捜査になります。サイバー犯罪とはいえ、他の犯罪同様犯人(被疑者)の取調べにより、動機や犯行の方法(手口)を明らかにして行きます。そのため捜査官は情報技術に関する知識と情報技術が本来見えないものを見える形にした証拠を基に心理戦により犯人から供述を引き出していくのです。

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【教授 髙橋 浩樹】

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