心理学科コラム

202109.08
心理学科コラム

【心理学部】サイバー犯罪の犯人

サイバー犯罪の犯人も色々な人間がいますが、経験上特に低年齢層に多いのは「愉快犯」と言われる、お騒がせ少年です。

彼らはいたずら感覚・ゲーム感覚・遊び感覚で犯行を行っていますが、世間を騒がしてやろうという積極的な動機ではなく、いわゆる「ノリでみたいな」と言った悪ふざけ程度の罪の意識しかありません。仲間内の悪ふざけで済んでいる間はいいのですが、無限ループと言われるような鏡の中に鏡が、そのまた中に鏡のように無限に続くウインドが現れ、コンピュータが終了できないようなプログラムを不特定の人にばらまき、楽しんでいるといった犯人が多くいます。

少年にとっては悪ふざけでも、そのようなプログラムを意図ぜず送られたコンピュータの使用者にとっては堪ったものではありません。この様なプログラムは入手が比較的簡単で、いたずら感覚がさらにいたずら感覚を呼び、真似をする少年「模倣犯」が増えるのです。罪悪感が希薄な少年には事の重大性と犯罪になることの自覚をしっかりと勉強させなけければなりません。

次に「自分はこれだけのことができるのだ」「まねできないだろう」と言った間違った意味での知識・技術の高さをひけらかす「自己顕示欲」の強い人間で、若者層に多く見られます。自分で作ったウイルスをばら撒いたり、色々な機関のネットに侵入したりします。当然ながらコンピュータの知識は高いのですが、社会に有益な使い方を提案することなく自らの世界の中で満足してしまっていたり、違法な行為で収入を得たりしています。

これらをすべて含んだ様なネット上での爆破予告犯も数多くいます。匿名性の高いネットを駆使して「俺は捕まらないんだ」と自己満足に浸っているのでしょうか。その知識と技術を社会のために有効活用して欲しいものです。幸い人を物理的に傷つけたり、ましてや殺害するといった犯行には及んでいませんが、病院システムへの侵入・プログラムの破壊といった行為に至れば、サイバー犯罪による殺人もあり得ます。

このコラムの読者の方々は、サイバーの知識・技術の正しい認識と有効利用への前向きな姿勢・社会性を持った人へと「学び」を通して成長して下さい。

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【教授 髙橋 浩樹】

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