
社会学科コラム
【社会学部】「社会学部でSDGs」質の高い教育をみんなに

質の高い教育は、どのように実現できるのだろう。1クラス30人の児童・生徒に教員ひとりで対応することは、とても難しい。勉強の方法もひとりひとり違っている。学習の履歴データから検証して効果的に教育・学習デザインをすることが目指されています。
近年、世の中のあらゆる場面で多様化が進んでいます。
日本の教育現場を見ても、初等教育から高等教育まで、あらゆる学校種で教室の中でも多様化が進んでいますね。その一方で、日本の学校教育には「クラスのみんなを同じように扱うべき」といった傾向があり、それが配慮や特別な支援が必要な子どもたちの学習を困難にしているという指摘があります。
そんな中で、適切に対応し、学びの場を提供していくにはどのようにしていけばよいのでしょうか?
日本の学校でも、「学習者中心」の教育へ授業観をシフトすることが浸透しつつあります。
つまり「教えたか?」から「学べたか?」への考え方の転換です。そうした中で、学習者ひとり一人に対して、そこで必要とされている学びのサポートを提供できるようにすることが大事になります。
最近では「いつでも・どこでも」学べるように、インターネット上の学習環境(eラーニング)を整えることが広く普及してきました。このことによって、学習者は学びの機会を広げられるだけでなく、学習の履歴をデジタルで蓄積できるようになります。
そこで蓄積された様々な学習ログをAIなどの技術を活用して分析する実践と研究が進んでいます。
こうした環境を使って、また、「学び」を促進するための教育工学の研究知見を活用して授業設計を施すことにより、それぞれの学習者の「つまづき」を乗り越えるために最適な学習サポートを提供できるようになります。
ICTを有効活用した学習環境を整備すること、そこで蓄積されたデータを学習サポートに活用すること、教育方法の知見を授業設計に活かすこと。これらがすべて揃った中で、学習者ひとり一人がしっかり学べるようになるのですね。
はい、そうですね。
これらのことは、文部科学省の教職課程コアカリキュラム(=教員志望の学生が学ぶべきことのガイドライン)でも強調されており、将来、教職を目指す学生の皆さんにはしっかり身につけていただきたいところです。
SDGsを一緒に考えてみよう
1.学校教育における課題や問題を調べてみよう
2.情報技術によって、10年後の「学習」をどのように変えることができるか考えてみよう
3.国連「子どもの権利条約」をみて、子どもの権利を考えてみよう