心理学科コラム

202207.01
心理学科コラム

【心理学部】オープンキャンパスで高校生を被験者にして"ウソ発見"の実験 ―心理学部の神経生理心理学実験室―

6月19日、神戸山手キャンパス2号館で行われた心理学部のオープンキャンパスでは、参加者に架空の殺人事件の資料を配り、犯人を当てる推理ゲームが実施されました。この想定では6名の容疑者が捜査線上に浮上し、そのうちのひとりが犯人であるので、鍵となる情報(ヒント)を得るために、キャンパス内のさまざまな場所を訪れて、真犯人を特定することが課題でした。資料の中には、ウソ発見(ポリグラフ)検査の波形も含まれており、12時20分と13時40分のいずれかの時間に、神経生理心理学実験室を訪れた参加者には、質問内容と波形の見方が具体的に教えられ、犯人特定の決め手になるような情報提供がなされました。

さらに、実験室に見学に来た参加者から希望者を募って、ウソ発見の模擬検査を実施しました。実験参加者は、最初に部屋の片隅に行き、他の人から見えない状況で、6枚のトランプの中から任意に1枚を選択します。次に、心電図・呼吸運動・皮膚コンダクタンスのセンサーを本学の学生スタッフによって参加者に装着されます。そして、検査が始まるとモニター上にカードが1枚ずつ呈示され「あなたが引いたのはこのカードですか」と質問されます。この時、参加者は全ての質問に「いいえ」と否定の返答を行い、自分がどのカードを引いたかを当てられないように努力するように教示されました。

さて、検査結果はどうなったでしょうか。

一人目の実験参加者は男子高校生で、実際に引いたカードに、振り切れてしまうほどの大きな皮膚コンダクタンス反応が生じ、見学していた全員が分かるほどの顕著な変化が認められました。

二人目は保護者の方で、この方は、クローバーの9のカードに対して極端に呼吸が遅くなっていることを実験者が指摘し、実際に引いたカードとして的中させることができました。

このようなトランプを使ったカードテストは、犯罪捜査場面でも、容疑者に手続きを理解させるために実施する重要な予備検査となります。今回の実験では、以前、科捜研でウソ発見の鑑定を担当し、現在は本学で犯罪心理学を教えている中山教授が実施しました。

参加者からは「ウソ発見がどのようにおこなわれるかが良くわかった」「思っていたよりもはっきりした反応が出て驚いた」などの感想が寄せられました。

うそ発見器.jpg
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